ポスター発表概要


50音順、敬称略
1. Weak Values of Hardy's Paradox with Several Post-Selections
浅井 海図 筑波大学
弱値の概念を用いるとHardyのパラドックスを説明しているような値になることはよく知られている.そこでHardyのパラドックスとは別の事後選択を考えそのときの弱値の値を調べることにより,弱値がどのような意味を持つのかを考える.
2. 局所平衡熱機関のミクロ状態分布
泉田勇輝 名古屋大学
局所平衡熱機関のミクロ状態分布,常に熱源と熱平衡状態を保ちながら準静的に運転された熱機関は、最大効率(カルノー効率)を達成する一方、仕事率(単位時間あたりの仕事)はゼロになるという実用上の問題点が知られている。本発表では熱源と作業物質の間の熱平衡が破れてそれぞれが局所平衡状態にある熱機関である局所平衡カルノーサイクルを議論する。作業物質の状態がwell-definedな一組の熱力学変数で指定され、それらの変数間に熱力学基本関係式が成立するような内部可逆な非平衡状態を仮定する。このとき、作業物質を理想気体とすると、気体粒子のミクロ状態分布は気体の局所重心速度を用いてMaxwell-Boltzmann分布からの自然な拡張として一意に決定できることが理論的に示せる。得られた分布をもとに、局所平衡カルノーサイクルの最大仕事率時の効率を計算する。また分子動力学シミュレーションによる理論の検証についても併せて議論する。
3. 時間反転光学系を用いた量子干渉パターンの古典光学的実現および光計測への応用
小川和久 北海道大学
量子もつれ光子対が示すHong-Ou-Mandel(HOM)干渉やその干渉パターンの分散鈍感性などの干渉現象は, 光子対が持つ時間-周波数相関に起因するものであり, 古典光学的には実現できないことが知られている. しかし量子力学の時間反転対称性にに着目すると, それらの量子光学系の時間反転系でも順方向系と同じ干渉パターンを実現でき, さらにこれらは古典光学的に実現することができる. 我々はこの時間反転の手法を, 分散消去HOM干渉の観測, および量子コヒーレンストモグラフィ(Q-OCT)に応用し, 量子光学系である順方向系と同じ干渉パターンを古典光学系を用いて実験的に観測した. 本発表ではこの時間反転による古典光学系の導出の理論および実験結果について説明する.
4. 可算個の状態の識別可能性について
川久保 龍一郎 慶應義塾大学
可算個の純粋状態に対して曖昧さのない識別が出来るための必要十分条件を与える.可算個の状態に対しては単なる識別性と一様識別性を区別する必要が生じる.また,興味ある具体例として,von Neumann格子の識別可能性を論じる.von Neumann格子はコヒーレント状態族の部分族であって,古典的な相空間の格子に対応する状態族である.この格子は,面積がPlanck定数超であるときには識別可能となり,Planck未満のときには識別不能となる.
5. Generalized Uncertainty Principle and Entropic Uncertainty Relations
河本祥一 Chung Yuan Christian University
We explore the modification of the entropic formulation of uncertainty principle in quantum mechanics which measures the incompatibility of measurement in terms of Shannon entropy. The deformation in qustion is the one called generalized uncertainty principle which is motivated by thought experiments in quantum gravity and string theory, and is characterized by a parameter of Planck scale. Generalized uncertainty principle has proven to be useful to study quantum nature of black holes and is expected to serve some hints for the information paradox. This study thus aims to provide a tool to approach to black hole physics with information theory viewpoint. Based on a on-going work with L.-Y. Hsu and W.-Y. Wen at CYCU.
6. 量子測定理論におけるEinselection及び測定器のオブザーバブルの選択則について
熊澤 正浩 筑波大学
ポスターには主に卒業論文の内容をまとめます。卒業論文では,このZurekによるEinselectionについての議論を量子測定理論の基礎的な立場から間接測定モデルを通してまとめました.さらに,Zurekの議論とは別に,間接測定モデルを考察する中で測定対象の量子系(注目系)の物理量と測定器のオブザーバブルとの関係に注目し、期待値を得る測定を行うためには測定器のオブザーバブルはEinselectionに加えて注目系によっても制限を受けることを一般的に定式化し、1qubit測定を例考察した.
7. POVMの最小十分性について
倉持 結 京都大学
量子測定過程の測定出力を記述するPOVMに対して,古典情報処理による同値関係を導入し,それを用いて「測定出力に被測定系と無関係な冗長な部分がない」ことを表す「最小十分性の」概念を導入する.系のヒルベルト空間が可分であることのみを仮定し,任意のPOVMと同値な最小十分なPOVMをLehmann-Scheffe-Bahadurの統計量という写像を用いて構成する.また,与えられたPOVMに同値な最小十分POVMは零集合を除いたラベルの付け替えの任意性を除いて一意であることを示す.
8. 量子論理に基づくHilbert空間形式の量子力学の再構成とその応用
古賀実 名古屋大学
Hilbert空間形式の量子力学では,物理量や状態はそれぞれ,自己共役作用素や密度作用素として表現される.一方,実験データに基づく量子力学の公理化の試みとして,Mackeyによる量子論理がある.量子論理の研究目的の一つは,実験データの集合に対する量子現象に応じた条件の付加による,Hilbert空間形式の量子力学の再構成がある.再構成に必要な構造の中である意味で極小なものを探求することが,量子論理に基づく量子力学の原理探求に相当する.本発表では,Mackeyによる量子論理の定式化を説明した後,Hilbert空間形式の量子力学の再構成についてこれまでの取り組みを紹介する.さらに,再構成に必要な公理の一部を変更することで,物理量や状態の表現が如何に変更され得るかについても併せて紹介し,物理理論の公理論的手法に関する一つの方向性を提示したい.
9. Phase transition in the estimation of event rate: a path integral analysis
小山慎介 統計数理研究所
We try to capture the instantaneous rate of event occurrence as a function of time. A jagged or smooth rate function can be arbitrarily chosen, but it is nevertheless possible to select a plausible smoothness according to the principle of maximum likelihood. Upon optimization, the smoothness may diverge, indicating that the data are insufficient to uncover the time dependence of the underlying rate. By evaluating the likelihood function through a marginalization path integral, we found a phase transition leading to the divergence of the optimized smoothness under a certain condition.
10. 局所フェルミ流体相互作用によるスピン相関対の生成と、多体のベル不等式
阪野 塁 東京大学
近藤状態が形成されている量子ドットの低エネルギー基底状態は局所フェルミで記述される。そこでは自由な準粒子と、弱い相互作用による準粒子の散乱が起こっている。この弱く相互作用した準粒子対は、量子ドットを流れる非平衡電流のショットノイズを増幅することが昨年実験的に観測された。近藤相関の相互作用した準粒子の散乱が直接的に実験観測されたのは初めてである。さらに、この多体(近藤)効果で形成された弱く相互作用した準粒子状態の性質を詳しく明らかにすることは重要である。本発表ではこの相関対が量子的相関を保持していることを理論的に検証し、実験的に確認するための方法を提案する。具体的には、軌道縮退不純物アンダーソン模型を用い交換相互作用型の準粒子間相互作用を導入することで、スピン相関対が形成されることを、多体のベル相関を導入することで示す。
11. 量子鍵配送における低速な基底切り替えの影響
佐々木寿彦 東京大学
量子鍵配送では実際には全くエンタングルメントを生成していないのにもかかわらず、盗聴者にとってエンタングルメントがあるのとほとんど区別がつかないことを利用して安全性を証明する。この区別のつかなさを保証するために、通信に使う基底がランダムであることを利用する。一方で、高速通信のために繰り返し速度をはやくする需要があり、これにともない前述のランダム性を担保するためには単純には基底の高速切り替えが必要になる。本発表では安全性の証明にそもそも何が必要なのかを整理し、基底の高速切り替えが本質的には必要ないことを示す。
12. 線形応答理論を用いた量子Fisher情報量の測定法
設楽 智洋 東京大学
量子FIsher情報量は、CPTP写像に対して単調に減少する量子状態空間上の計量として定義され、演算子の非可換性に対応して無数に存在する。しかし、一般の量子Fisher情報量が単調性を超えてどのような操作的な意味を持つか、特に測定可能量とどのような関係にあるのかについてはこれまで明らかにされてこなかった。本発表では、熱平衡状態における、周期外場に対する線形応答係数をあらゆる周波数において測定することで、任意の量子Fisher情報量が決定できることを示す。
13. 断熱的な時間発展の結果は経路のトポロジーで決まる
田中篤司 首都大学
量子系の断熱的な時間発展は、系の持つ時間スケールが分離するときにしばしば実現する。例えば、分子内での電子状態と原子核の配置の相互作用(ボルン・オッペンハイマー近似)が古くから調べられている。近年着目されている例として、ベリー位相や断熱量子計算/量子アニーリングが挙げられる。ここでは、断熱的な時間発展の結果(終状態)が経路のトポロジカルな性質に依存することについて報告する。また、この性質を通じた断熱経路の分類についても説明する。
14. 粒子計測から波動相互作用の検出を目指して−プラズマ物理からの話題提供−
永岡賢一 核融合科学研究所
核融合燃焼プラズマや地球磁気圏内の放射線帯において高エネルギー粒子(非熱 的粒子)の生成と輸送に関して、非線形な波動粒子相互作用過程の検証が重要な課題となっている。粒子計測による相互作用検出の試みを紹介し、統計的解析手法について議論する。
15. 共変解析力学の基礎とDirac場と結合した重力場への応用
中嶋 慧 筑波大学
通常の解析力学のハミルトン形式は、時間を特別扱いし、共変が自明ではない。また、ゲージ場や重力場は第1種の拘束系となり、ゲージ固定やDirac括弧の使用が必要となる。共変解析力学は、微分形式を基本変数とすることで、明確に一般座標共変(不変)に定式化され、時間と空間を平等に扱う。また、ゲージ場や重力場は非拘束系となり、ゲージ固定は不要となる。共変解析力学の量子重力への応用が期待される。私は、共変解析力学とDe Donder-Weyl理論との関係を初めて明らかにし、また、共変解析力学に初めてポアソン括弧を導入した。さらに、共変解析力学をDirac場と、Dirac場と結合した重力場へ初めて適用した。先行研究とあわせて、全ての基本的な場の理論に共変解析力学が適用可能であることが分かった。
16. 微小量子機械
畠山 遼子 東京大学
我々は、数十自由度の量子系で、何らかの機能を持つ系、つまり微小量子機械を 設計する研究を行っている。このような微小な系で機能を実現 する には、量子 効果等を活用することが望ましいと思われる。そこで、量子性が顕著である格子 上のスピンレスフェルミオン系を扱い、 最近接サイト間のホッピング t と斥力 相互作用 V からなるハミルトニアンを仮定した。この設定のもと、格子の配置 やハミルトニアンの(実質的に唯一の)パラメーター V/t の値を設計し、単純な 機能を持った微小量子機械(これはより複雑な機械の構成要素となり得る)の探 索を行った。これらの系の解析には、TPQ 形式 [1] を応用した数値計算手法を 用い、物理量や熱力学関数の値から、機能発現のメカニズムを探った。 本発表では、この微小機械として、「ディスプレイ」と「非破壊検知器」のプロ トタイプを紹介する。温度上昇に伴い、複数の識別可能な粒子数密 度の パター ンを示す系をディスプレイと見なし、そのプロトタイプとして、我々は2パター ン表示する系を設計した。また、この2パターンの出現は波動性 と粒子性の競合 によることを確かめた。非破壊検知器のプロトタイプとしては、入力ポートを2 つ備えた系を採用し、両ポートに一切触れることな し に、両ポート内の粒子数 の組を推測できる系を設計した。それような系のうち、より大きな測定誤差でも 推測可能な系を探索し、それらの比較を行った。
[1] S. Sugiura and A. Shimizu, Phys. Rev. Lett. 111, 010401 (2013).
17. Quantum Incompatibility and Information-Disturbance Tradeoff
濵村 一航 京都大学
量子状態に対する操作として「物理量の測定」と「状態変化」がある。 前者は確率分布を出力するものでPositive Operator Valued Measureという測度で記述され、 後者は状態を出力するものでTrace-Preserving Completely Positive mapという写像で記述される。 これらの操作の組を考えたとき、それらが必ずしも両立するわけではないという量子論特有の性質がQuantum Incompatibilityである。 すなわち、ある操作の組を同時に行なうという操作が存在するとき両立可能であるといい、存在しないとき両立不可能という。 例えば、No-broadcasting定理は入力した状態をそのまま返すという状態変化同士の組は両立出来ないことを示しており、 シャープで非可換な物理量は同時測定できないということは物理量の測定の組に両立不可能なものがあることを示している。 本ポスター発表では特に物理量の測定と状態変化の両立可能性について議論を行なう。 これはより多くの情報を得るような物理量の測定は擾乱の大きい状態変化としか両立しないという意味で一種の情報擾乱定理を表していると考えられる。 この情報擾乱関係を状態識別能力と無擾乱性による前順序関係を用いて定式化する。
18. Weak Value, Quasi-probability and Bohmian Mechanics
福田教紀 総合研究大学
本研究の目的は、射影演算子の弱値を複素数値の確率(擬確率)として解釈することの有用性および尤もらしさを示すことである。この弱値に基づく擬確率は、非可換物理量の同時確率を自然に与え、さらに、このことにより、ボーム理論と量子力学のつながりを明白にする。また、擬確率を用いると、ボーム理論はある種の状況依存性を持つonotological modelとして解釈できることが示される。
19. Quantum chaotic string in AdS geometry
星野 悠一郎 早稲田大学
近年、様々な背景時空における古典的なstringに対する解析が行われ、可積分となる条件やカオス的な振る舞いが示されている。 また、このカオスを示す系を量子化した系の準位統計の議論、いわゆる量子カオスに対しての議論もいくつかあるが、まだ十分な議論がなされていない。 そこで本研究では、まず漸近的にAdSな時空における古典的なstringのカオス的運動に焦点をあてる。 この古典的なカオスの性質を簡単に説明した後、量子化した系を考えることで、量子カオス的性質についての議論をする。
20. AdS/CFT and LRG in 3D
細田 寛人 名古屋大学
近年、ホログラフィックなくりこみ群の研究が盛んに行われているが特に今回はゲージ場まで含めた4次元の古典重力理論の作用から出発しHamilton-Jacobi formalismに従って具体的に1+2次元のトレースアノマリーを求めた。またその過程で得られたベクトルβ関数の性質について考察した。今回4次元のバルクの作用にパリティを破るような項を入れており、この項が及ばす影響、また得られたβ関数とF定理との関連について議論したい。
21. Any time inhomogeneous quantum memoryless process "converges"
松本 啓史 国立情報学研究所
By composition of (possibly different) CPTP maps, ""information"" about the initial state is always monotone non-increasing. To capture this phenomena, we introduce equivalence classes of families of quantum states, which embodies the bundle of all ""information quantities"" about the initial state, and show the trajectory of any inhomogeneous memoryless process in this space convergent to a point. Also, a characterization of weak ergodicity in this picture is given. ak ergodicity in this picture is given.
22. 量子的調和振動子系のShortcuts to Adiabaticityを特徴付ける確率母関数
三嶋宏章 名古屋大学
近年,量子系の動的制御の時間的最適化は基礎と応用の両面から注目されており,それ自体興味深いテーマである.特に,断熱時間発展を任意の時間で実現するShortcuts to Adiabaticity (STA)の方法は広く研究されている.一方,伏見は一般には解析的に解くことができない時間に依存した角振動数を含む調和振動子系のGreen関数を形式的に計算する手法を見出した.我々はこの伏見の手法を応用し,STAが実現している系に対して,ある固有状態から別の固有状態への遷移確率の確率母関数を解析的に計算することで,STAを特徴付ける新しいパラメタを導いた.このパラメタは伏見の断熱尺度パラメタの自然な拡張になっている.本発表ではこのパラメタおよび確率母関数とSTAとの関係について説明する.
23. 量子インターネットにおける量子通信の理論限界について
水谷明博 大阪大学
量子インターネットはネットワーク上の任意のクライアントに、量子テレポーテーションや量子暗号に代表される量子通信を提供するものである。 通信距離が数100km程度ならクライアント間で光子を直接送受信することで量子通信は実装されるが、それを長距離化するにはクライアント間に設けられた量子中継ノードを用いる必要がある。そのような長距離量子通信のプロトコルはこれまでに数多く提案されているが、それらの良し悪しを判断する絶対的な基準は存在しなかった。  今回の発表ではネットワーク上の2者間での任意の量子通信の効率と、利用された通信路の光損失との間に基本的なトレードオフ関係があることを報告する。 このトレードオフ関係はあらゆるネットワーク形状の量子インターネットプロトコルに適用することができる。結果としてネットワークが線形の場合、既存の量子中継プロトコルが、得られた効率の原理限界と同じスケーリングを持つことが明らかとなり、それらの量子中継方式には劇的な改善が望めないことが分かった。
24. 不完全性のあるGHZ状態のcontextualityと計算能力
村川亮太 大阪大学
現在までに古典アルゴリズムよりも計算スピードが速い様々な量子アルゴリズム見つかっており、量子計算の 計算能力の高さが注目されている。この計算能力の高さの起源を理解するために、量子特有の性質の一つであるcontextualityと計算能力の関係について盛んに研究されている[1,2]。文献[2]の方法は、XOR演算のみに限定された古典計算に対して、量子リソースとしてGHZ状態とそれに対する1量子ビット測定を利用することによって万能古典計算を行うことができることに注目している。この設定において、GHZ状態のcontextualityが万能古典計算に必須である非線形ブール関数を実行可能にするための必要条件であることが示された。 本研究は、この結果を不完全性のある状況に拡張することによって、不完全性のある非線形ブール関数の成功確率と、contextualityの関係を特徴づけた。また、具体的にGHZ状態に対して様々な雑音を与え、線形ブール関数への分解可能性を調べることによって、contextualityと他の代表的な量子性の指標であるエンタングルメントとの関係について考察する。
[1]R. Raussendolf, Phys. Rev. A 88, 022322 (2013).
[2]M. Howard et al., Nature (London) 510, 351 (2014).
25. 微小熱力学系のGibbsのパラドックス
村下湧音 東京大学
気体混合に関するGibbsのパラドックスは,熱力学と古典統計力学の基礎に関して三つの異なる論点を提示した.本発表では熱力学的エントロピーと統計力学的エントロピーのコンシステンシーという論点に着目する.この問題は,熱力学極限においては,熱力学的エントロピーに示量性を課すことで解決される.しかし,この解法は示量性が成り立たない微小な熱力学系に適用することはできない.本発表では,絶対不可逆性という,特異的に強い不可逆性の概念を用いることで,微小熱力学系においても適用できる解法を与える.  
26. 古典自由場の典型性とミクロ状態量としてのエントロピー
吉田恭 筑波大学
近年、典型性の概念に基づき統計力学のアンサンブル描像の 基礎付け・平衡系への緩和の研究が、量子孤立系を中心に 行われている。本研究では、古典自由場について典型性を 議論し、またミクロ状態量としてのエネとロピーを構成する。

(内容は発表者の都合で変更の可能性があります)