第6回素粒子原子核研究計画委員会議事録

日時:平成14年7月23日(火)10:00〜

場所:KEK 4号館1セミナーホール

出席:
所内委員:
羽澄、岡田、藤井、吉村
所外委員:
金(筑波大)、中家(京大)、山中(阪大)、延與(理研)、櫻井(東大)、
田村(東北大)、日笠(東北大)、初田(東大)、野尻(京大)、
高橋(宇宙科学研)、中畑(宇宙線研)
非委員:

1. 前回議事録案の承認
前回の議事録案が承認された。最終版については本委員会のページ参照のこと。

2. 初めの打ち合わせ
委員長より、今後の作業の進め方について説明があった。
今回の目標:
グループの中では最終版に近い所までつめる。
次回:
各グループからの報告。外部から出そうな批判も入れた辛口のものにすること。
方針に関する質議:
Q:委員長より配付された template には、スケジュールが入っていなかったが?
A:time line は必要。実験の説明の部分では、実験グループとして、最後のプライオリティーの部分では委員会としての見解を書く。
C:緊急性の評価も必要。

3. 班ごとに別れての作業
午前:A の各班に分かれての検討
午後:B の各班に分かれての検討
各班での議論については、それぞれの班からの議事メモを参照のこと。

4. 各グループからの作業報告
各班に分かれての検討作業の後、その中で出てきた問題点などについて各グループから報告を受け、全体で議論した。

4-1) ν(中家)
物理的意義:
標準理論を越える物理、急速な進展、CP 非保存、... ---> GUT?
実験:
抜けている点に関する議論。また、50GeV と 30GeV の差に関する議論もした。エネルギーの差は、ニュートリノフラックスの差となるが、repition rate で補償できる。

報告および、叩き台の内容に関して以下のような質議があった。
C:JHF の役割を強調すべき。
Q:4MW の話はどうなったのか?
A:4MW が無くてはできないことは書かない。感度に対する効果という意味では、Hyper K が ×40、4MW が ×5。いずれにせよ、高いビーム強度が望ましい。
C:前回決めたように、第1期、第2期の用法は統一すべき。
Q:欠点も書いた方が良いのでは?
A:day 0 で困難なことはない。
C:40 GeV あたりまでなら、ニュートリノ用ビームラインは常伝導磁石でも行ける。
C:委員会としてはそのことに触れる必要はない。

4-2) K(山中)
物理的意義:
JHF の意義を強調する。
実験:
- 数が抜けている点。3つの実験を同じ視点で公平にする。
全体の評価基準:
スケジュール:
- LHC、B など、他の実験との関係を明確にすべき。

C:T violation の実験
現在の装置を持っていって1桁でも改善するならやったらどうか。
C:3 つを同時にやるのは無理なので、チームをまとめて一本化したらどうか?
π^0ννに一本化?

feasibility:
- 検討項目は山積みだが、pilot 実験の結果は3年後であり、それを待っていては遅い。

4-3) ハドロン(延與)
初めに、ハドロン2つをまとめたことに疑問が出されたが、やはり、まとめることになった。
物理的意義:
- ポイントは structure function。
C:GSI との対立関係を明確にすべき。
A:low intensity primary の実験は、対立もしくは、負ける。
実験:
- 10^12 p --> ドレル・ヤン。小型実験もサポートする。

4-4) μ(吉村)
物理的意義:
- facility から物理ではなく、物理から facility という論理が必要。
- LFV については、SUSY に対するどの程度の制限になるのか書くべき。
- 将来におけるν factory、μ collider などへの連結にもふれる。
実験:
- 1期には入っていないのだが、ビームライン、ターゲット、ダンプなどについてスケジュールを書くべき。
- PRISM はμ-e conversion、g-2 についても言及すべき。
Q:EDM については?
A:書くべき。ただし、PRISM には偏極がないので、別のものが必要。
R&D:
- 特にターゲットまわり。(t = 0 + αとして、α=2 年くらいでははじめられる?)
Q:R&D を早く始めよというような意見を(JHF とは無関係に)書いたらどうか?
C:あまり遅れては物理の観点が変わるかもしれない。
Q:MECO の2桁下をねらう feasibility をまず示すべきではないか?
A:staging の可能性はある。
Q:実際には、2010 年に結果が出る可能性は低いのでは?
A:数年の R&D の後でできる所から始める。
C:委員会としては、例えば 2012 年までに結果を出すべしと言うのは良い。そのために R&D をしっかりやるべしと言う。
C:陽子崩壊、LFV は、SUSY がらみで今が売り時。
Q:PSI で出たら?
A:大歓迎である。そうすれば、μ<-->e は2桁下には必ずある。

4-5)反陽子(櫻井)
報告の性格:
- Facility としてのレポートになる。その際の4本柱に関する議論をした。
● pbar atom --> CPT
● 反陽子を使った原子核物理(不安定核など)理研との関係を入れる。
● pbar p による QCD study。GSI と対立する。
● pbar trap 技術:医学利用(PET 用 radio isotope)、pbar を売るのは商売になる。直接人体に入れる。
facility という性格を反映し、プログラムは拡大する方向にある。
Q:中性子過剰核はどうやるのか?
A:e arena が必要。
評価:
- 最初の2本は、CERN ISOLDE と対立する。
- 医学利用とかが行けば、お金は出やすい。
- 人員については、東大、早野研が鍵。現時点では海外の動向も分からないので決めかねているようである。2003 年には GSI の見通しが分かる。
- CERN AD(LHC 完成までは動く可能性が高い、その後は未知数)で JHF の前にやるのが良い。
- 物、技術(CERN AD)は存在している。
Q:委員会としてはどう答申するのか?
A:土地とか加速器の面では将来の芽を残してはどうかという提案。
Q:ビームを改善する可能性はないのか?
A:AD 改良案は存在する。

4-6) ハイパー核(田村)
物理の議論を中心にした。
物理:
- 論理を整理するべき。
● s の重要性(排他律が効かない。短距離探査)
● 2体から多体へ
C:JHF で初めてできるようになることを強調すべき。
C:constituent quark であること明記。
- 物理の意義については、
Lattice との関係?
consitituent quark model で何故良いのか?
などの議論があった。
実験:
- 全体をまとめた議論が必要。特にビームの特徴(K^- であること。ビーム強度)。これは JHF の特徴を強調することでもある。1.2.6 の説明。
海外との比較:
- GSI が対立しうるが、不明。
Feasibility:
- SKS detector から新しいものに変える意義を明確にすること。
C:SKS detector で始められることは positive に評価すべき。
測定器:
- Ge の高速読み出し。
- どの実験がどのスペクトロメータでやるのかを書く。
- 実験の優先度を決めて進めるべきと提言する。
C:選び方についても書いてもよいのではないか?
Q:人の overlap は?
A:3割程度。

4-7)全体について
Q:用語を決めてほしい。
A:50 GeV PS については、50 GeV PS。総合計画の名前については、当面マクロ(¥jhf)にしておく。

来週月曜日までに、各班で改訂を行い、班長は、8月5日までに幹事に原稿を送ること。それを幹事がとりまとめる。

Q:Grand View はどうするのか?
A:全体の議論の後である。

5. 次回
次回の日程:土日だが、8/17、18 と KEK で泊まりがけでやる。続いて、9/7,8 にもやる予定。