第9回素粒子原子核研究計画委員会議事録


日時:平成14年9月17日(火)10:30〜

場所:東京大学、学士会分館
出席:
所内委員:
岡田、藤井、吉村、宮武
所外委員:
中家(京大)、山中(阪大)、延與(理研)、櫻井(東大)、田村(東北大)、日笠(東北大)、初田(東大)、 野尻(京大)、高橋(宇宙科学研)
非委員:

1. 前回議事録案の承認

前回の議事録案が、重力のテストについての別のコメントを加えた後、 承認された。最終版については本委員会のページ参照のこと。

2. Summary 部分の議論

2-1) 各プログラムに必要な大物

まず、各々のプログラム遂行に必要な大物について再度、整理確認することになった。

●ν:ν-line 一式。
● K:(A)B-line。A の分岐は数億(電磁石と電源)。B-line は10~15億。
●μ:ビームライン、ホール(νとはバンチ構造が違う)、そして、RF、PRISM。引き出しのための手当てはできているが、土地については、保安林で、いわゆる神の道にかかる。
●ストレンジネス:1期は A-line の K1.8(2つ)、1.5期に K1.1(π2?)、2期に HR を K1.8 に接続。
●ハドロン:一次ビームライン(C-line)と、強度に見合った放射線シールド。
Q:C はいつできるのか?
A:C は 2期。
Q:ハドロンは C なしでできるのか?
A:ハドロンには C が必要。
●反陽子:早い取り出し(μと同じ)とホール、(ビームライン)。

Q:どうしても今やっておかなくてはならない手当てはできているのか?
A:穴は開けてある。全てお金さえあれば後でできるようになっている。

2-2) III の部分の議論

C:何と何がコンフリクトしていて、どうプライオリティをつけるのかを明確に。
C:合意点を明確にすべし。
C:分野で分けるのでなく、方針1、2に分けて考えるべき。
C:νを除き基本的に 2期の話。
Q:B、C は同時期と考えているのか?
A:議論していない。
C:B+C+ホールでおよそ70億規模。
C:μ+pbar は100億クラス。
C:合意がとれているのは、今やるべきこと(1期)として

  1. ν --> 重点項目。
  2. ストレンジネス、K(E391a の JHF 版)--> 多様性の象徴。
  3. μの phase A の立ち上げ

Q:第2期については、いつどういう条件が揃ったら評価できるのか?
A:将来的には、K、ストレンジネスの2期、ハドロンを始めるために、「これまで議論してきた B-line/C-line、カウンターホールをきちんと実現すべし」。ただし、μの phase A の状況によっては計画を見直して、μを優先させ日本の柱とすべし。大切なことは、計画の途中途中で適切な評価を行い、計画の見直しをはかること。
Q:このことが書かれていれば、もはやタイムラインの図は不要となるのでは?
A:やはりあった方が良い。

ここで、タイムラインの図(図1:JHF での各プロジェクトの推進の仕方)の中身の議論になる。
議論の結果、以下の図の通り。
タイムラインの図:

Q: phase A の定義?
A: 物理の目標に即した技術的な課題の調査、検討、実証を行う段階。

ここで再び III の結論部分の議論へ戻る。基本的な合意事項は、前出の通り

  1. ν 実験の極めて迅速な推進
  2. 素粒子・原子核研究の多様性の象徴となるストレンジネスと K(E391a@JHF)の第1期での推進
  3. μ実験の phase A study の立ち上げ

 将来的には、これまで JHF 計画を通して議論されてきた B-line/C-line、カウンターホールをきちんと実現し、2期における K、ストレンジネス、ハドロン物理の実験を行う。
 ただし、計画の途中で適切な計画の評価を行い計画の見直しをはかる。

2-3) 全体の構成に関する議論

全体の構成について議論した結果、以下のようにすることで合意した。

●はじめに
 委員会の定義、目的。検討の経緯:会合の回数、会合の内容など。
●現状とJHF
●評価の方針
 それに基づきこれまで検討されてきた様々なプロジェクトから6つの研究プログラムを立てた。それは〜である。
●研究プログラムとその評価と提言
 様々な側面からの半定量的評価(星付け)と進め方(タイムライン)
●補:各研究プログラムの内容、評価と具体的な提言(抄)

C:素・核研の将来計画検討の一環として、JHF の "50GeV" の実験プログラムの進め方を議論したものであること明記すべき。
C:タイトルとして、「JHF 50GeV 陽子加速器における素粒子・原子核研究の進め方に関する答申」とする。

6つの研究プログラムについては

とする。コーヒーブレークの後星取り表に移る。

2-4) 星取り表の議論

委員長案をもとに議論。

Q:委員長裁量の心の説明は?
A:基本的には野尻案と同じであるが、全体に +1 の下駄を履かせた。μは少し違うので星の色を変えた。
C:星の意味はきっちりと定義しておくべき。
C:項目の定義についても。
  軸 --> 研究プログラムにする。
  意義--> JHF の初期(1期)において進めるべき物理としての重要度(世界の中での競争力を加味する)。
C:ユニークさは不要となった("JHF で" をつけたから)。
Q:初期のとしたのに何故 K が3でμが4か?
A:μについては将来性が重要なファクター。K は星2つ。
C:μについては白星4つ(R&D)。

結局、物理の所の星付けは、ν(★★★★)、K(★★)、μ(☆☆☆☆)、ストレンジ(★★★)、ハドロン(★★)、反陽子(★)に落ち着いた。

2-5) 再び全体の議論

C:世界の中での JHF でやる物理を位置付けるような観点、また、日本の分野の主要課題に対する取り組みの中での JHF の位置付けるような観点が必要。--> 2段落ぐらいで叩き台を作る。

3. 予定

木曜日までに全てのフィードバックを。1日で直して金曜日に流し、再度、調整の後、火曜日には山田所長に提出する。作業はメーリングリストで行う。