2020年12月1日 16:00-
少子化はなぜ起こるか:人間行動進化学からのアプローチ
長谷川 眞理子 氏
(総合研究大学院大学)
アブストラクト: 自然人類学は、ヒトという生物の進化を研究する学問である。一方、文化人類学、社会人類学は、ヒトが持っているさまざまな文化や社会のあり方を研究する。両方とも、人間についての研究なのだが、アプローチも考え方もまったく異なる。それに対して、人間行動進化学(または進化心理学)は、ヒトという生物の行動や心理の進化を、文化も含めて分析しようとしている。この分野はまだ新しく、誤解されているところも多いので、本講演ではまず、人間行動進化学とは何か、その考え方の枠組みを述べたい。そして、少子化はなぜ起こるのかという具体的な問題について、人間行動進化学での分析による、私の試論を紹介したい。