量子もつれや量子測定の性質など量子論の基礎に関する理解は、それらに伴う量子相関や不確定性、非局所実在性などの量子状態特有の性質を精確に把握するのに必須であり、将来の物理学全体の発展にも重要な鍵となるものと考えられています。さらに近年では、大規模な量子情報ネットワークや量子超越性、機械学習、量子センサー技術の実現などが話題となるなど、本分野を取り巻く応用研究も大きく進展しています。本研究会(QMKEKシリーズ)は、このような量子論の基礎に関する最新の話題の議論を通して、長期的な観点から量子論及び関連する物理学の将来の発展を考える機会を提供するために隔年開催しているもので、今回で7回目になります。前回は諸事情で開催が見送られたため、今回はこの間の進展も概観できることを念頭に、弱値、不確定性、情報と測定、機械学習、量子多体系、量子もつれ、量子計算、量子暗号など、発展の著しい分野から最新の話題の講演を集めました。また、これらの話題に関連して、素粒子・原子核、量子情報、物性、宇宙など広い物理分野からのポスター発表を企画していますので、興味ある研究者や学生の方々を含め、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
● 講演(発表順・敬称略:題目は仮題を含む)岡本 亮(京大工) | 弱値で測る量子系の時間発展 |
李 宰河(東大生産研) | 不確定性関係の幾何学的定式化 |
田島裕康(京大基研) | 保存則の元での量子測定・操作のコヒーレンス・コスト |
沙川貴大(東大工) | リソース理論によるマクロ熱力学ポテンシャルの存在証明 |
佐々木寿彦(東大工) | 量子鍵配送の安全性が証明できる状況について |
木村 元(芝浦工大) | GKLSマスター方程式における緩和時間の普遍則 |
白石直人(学習院大) | 孤立した量子多体系の熱平衡化をめぐる問題 |
清水 明(東大先進科学研究機構) | 量子多体系を測定したら何が測定されるか |
堀田昌寛(東北大理) | 場の理論における量子エンタングルメントハーヴェステイングの双対性 |
森前智行(京大基研) | 量子計算理論の基礎 |
竹内勇貴(NTT) | 量子計算の古典計算に対する優位性とその検証可能性 |
御手洗光祐(阪大基礎工) | 制御された量子系を利用する機械学習アルゴリズム |
鶴丸豊広(三菱電機) | 原子核崩壊による乱数生成 |
● ポスター
量子論の基礎や、広い意味でこれに関連するトピックのポスター発表を募集します。ご希望の方は、以下の登録フォームにて必要事項をご記入ください。
● 旅費補助
本研究会では旅費の補助を行います。ただし、財源に限りがあるため、すべての希望者に対して補助できない場合があります。旅費の補助を希望される方は登録フォームにて該当欄にチェックしてください。旅費の支給対象となった方は、KEKの共同利用者支援システム(KRS)にて必要な手続きを済ませることで、旅費支給がなされます。支給対象者には支給決定後速やかに必要な手続きをご案内いたします。
● 費用
(全員)茶菓子代:1日あたり200円
(懇親会参加者)懇親会費:4000円
(希望者)11日昼のお弁当代:800円
注:11日は祝日のためKEK内食堂および売店が閉店しております。お弁当を必要とする方は登録フォームにてチェックをしてください。
● 参加申込み
本研究会に参加ご希望の方は、登録フォームに必要な情報を登録してください。本フォームは前日2/10開催のQuantum Foudations: Measurement & Entanglementの登録と共通です。参加日程のチェックボックスに実際に参加予定の日程をチェックしてください。
締切は1月23日17:00です。
本フォームに参加申し込みをされますと登録されたメールアドレス宛に自動で登録情報確認のメールが送信されます。フォーム登録後1時間以内に確認メールがない場合には、森 雄一朗 (本フォーム管理者)までメールしてください。
● おことわり
上記フォームへの登録により研究会への参加登録は完了いたしますが、KEKでは来訪者に対し、規定により共同利用者支援システム(KRS)へのユーザー登録をお願いしております。お手数ですが、後日メールにて登録方法をご案内いたしますので、その案内にしたがってKRSへの登録もお願いします。世話人: 木村 元(芝浦工大)、 沙川貴大(東大工)、 清水 明(東大先進科学研究機構)、 谷村省吾(名大情報)、 藤井啓祐(京大理)、 細谷暁夫(東工大)、 堀田昌寛(東北大)、 板倉数記(KEK)、 岩野 薫(KEK)、 筒井 泉(KEK) |