プログラム

29日

氏名 所属 タイトル
9:00 - 9:05 世話人 KEK はじめに
9:05 - 10:05 金子 竜也 コロンビア大 Mott-Hubbard系におけるη-pairing状態の光誘起理論 slide
10:05 - 10:15 休憩
10:15 - 11:15 島野 亮 東大 超伝導及び電荷密度波系におけるヒッグスモードと相転移ダイナミクス slide
11:15 - 11:25 休憩
11:25 - 12:25 新城 一矢 東京理科大 強相関電子系におけるホールダイナミクスとストリング励起 slide
12:25 - 13:30 お昼休憩
13:30 - 14:30 ポスターセッションフラッシュトーク
14:30 - 17:00 ポスターセッション

30日

氏名 所属 タイトル
9:00 - 10:00 吉田 紅 Perimeter Institute 量子多体カオスとブラックホール諸問題 slide
10:00 - 10:10 休憩
10:10 - 11:10 萩野 浩一 京大 原子核反応の量子多体ダイナミックス slide
11:10 - 11:20 休憩
11:20 - 12:20 首藤 啓 都立大理 非可積分系のトンネル効果と複素力学系 slide
12:20 - 13:30 お昼休憩
13:30 - 14:30 向田 享平 CERN 再加熱過程と暗黒物質・バリオン非対称性生成 slide
14:30 - 14:40 休憩
14:40 - 15:40 赤松 幸尚 阪大 相対論的重イオン衝突におけるクォーコニウムの デコヒーレンスと量子散逸 slide
15:40 - 15:50 休憩
15:50 - 16:50 蘆田 祐人 東大 非平衡開放系の物理 slide

31日

氏名 所属 タイトル
9:00 - 10:00 茂木 将孝 MIT トポロジカル絶縁体ヘテロ構造におけるアクシオン電磁気応答 slide
10:00 - 10:10 休憩
10:10 - 11:10 関根 聡彦 理研 トポロジカル物質におけるアクシオン電磁気学 slide
11:10 - 11:20 休憩
11:20 - 12:20 千草 颯 LBNL / UC Berkeley スピン励起を用いた軽いボソン暗黒物質の直接探索 slide
12:20 - 13:30 お昼休憩
13:30 - 14:30 池田 昌司 東大 ガラス系における低エネルギー励起と緩和 slide
14:30 - 14:40 休憩
14:40 - 15:40 橋本 顕一郎 東大 固体中の電子のガラス化と結晶化 slide
15:40 - 15:50 世話人 まとめ

ポスター講演者

# 氏名 所属 タイトル (概要はタイトルをクリック)
1 衛藤稔 山形大学 理学部 多成分BEC系の量子渦分子の散乱と擬似QCDハドロンの散乱シミュレーション
冷却原子気体の多成分BEC系の半整数量子渦が複数集まってできる渦分子にはバリオン的分子とメソン的分子の2種類が存在する。本発表ではGross-Pitaevskii方程式を数値的に解き、「メソン-メソン」と「メソン-バリオン」の2種類の渦分子の散乱させた場合に起こる現象について説明する。QCDの本質である「閉じ込め」について量子渦の立場から考察し、小規模なハドロンjetが観測される場合があることなども紹介したい。
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2 藤本悠輝 東京大学 Equation of state of cold dense QCD matter in resummed perturbation theory
The equation of state (EoS) of dense nuclear/quark matter is the crucial ingredient for understanding neutron stars. We put forward the current theoretical effort to determine the EoS in the model-independent manner based on ab initio calculations of QCD. In this presentation, we particularly focus on our recent work [arXiv:2011.10891]: We calculate the EoS within the perturbative framework of QCD with resummation. We discuss the scheme for the Hard Dense Loop resummation, which turns out to reduce uncertainty than the perturbative QCD estimate without resummation; our result seems to extend the applicability of the QCD-based EoS down to densities realized inside neutron stars.
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3 石垣秀太 中大理工 ゲージ・重力対応を用いた非平衡定常状態の系における南部ゴールドストーンモードの解析
南部ゴールドストーンの定理により、連続対称性の自発的破れには質量ゼロの南部ゴールドストーン(NG)モードの出現が伴う。この定理は平衡系においてよく知られているが、非平衡系での成立を調べることもまた面白い。本研究では、ゲージ・重力対応のモデルを用いて、非平衡定常状態におけるカイラル対称性の自発的破れを対象にとり、そこに生じるNGモードの分散関係を調べた。解析の結果、非平衡に起因すると考えられる非自明な形の分散関係が見られた。
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4 岩野薫 KEK物構研 弱サイト間クーロン斥力領域の1次元モット絶縁体中の光励起状態に対して予想される超ボソン的振る舞い
1次元モット絶縁体のサイト間クーロン斥力が弱い場合、その光励起状態はいわゆるダブロン・ホロン対のほぼ自由な運動として記述される。我々は既に1個対があるとして、対を2個、3個と光励起する場合を理論的に考察し、その振る舞いが超ボソン的であることを初めて見出した。
5 澁谷紘人 金沢大学 Possibility of multi-step electroweak phase transition in the two Higgs doublet models
6 菅野聡 筑波大学 行列正則化の一般化
多体系を記述する場の理論は無限の自由度を持つことからその計算には多くの発散が生じる。場の理論から意味のある結果を取り出すためには自由度を有限に抑える正則化と言われる操作が必要である。正則化の有名な例として次元正則化やPauli-Villars正則化、格子正則化などが知られている。本発表では行列正則化と呼ばれる数学において非可換幾何学(積の可換性が成り立たない幾何学)の文脈に現れる手法を用いた正則化とその一般化について注目し発表を行う。行列正則化は正則化した理論が非可換空間上の場の理論と解釈できるという特色があり、他の正則化では得られない新たな知見を場の理論に与えることが期待される。 行列正則化は弦理論の非摂動的定式化の候補である行列模型に数学的な基礎付けを与える。また、行列正則化の一つであるBerezin-Toeplitz量子化は(量子ホール効果などで用いられる)Landau Hall problemにおけるlowest landau levelの上での理論と考えられ物性理論における問題とも対応がある。このことからも行列正則化が横断的に場の理論の理解につながると期待する。
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7 南川拓哉 名古屋大学 Constructing neutron star equations of state by connecting a parity doublet nuclear model and Nambu—Jona-Lasinio type model: observational constraints on the nucleon chiral invariant mass
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8 森崇人 総合研究大学院大学 相互作用がある場合のエンタングルメントエントロピー
半平面を部分系に取った場合の真空のエンタングルメントエントロピーを、相互作用ありで計算した。一般にエンタングルメントエントロピーの計算は共形対称性がある場合や自由場を除き、計算がほとんどされていなかったが、今回有質量かつ相互作用があるような一般の場合での定式化をする。
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9 中村 真 中央大学理工学部 Current Driven Tricritical Point in Large- Nc Gauge Theory
本講演ではゲージ・重力対応を用いて発見された電流駆動型の非平衡定常状態における新奇な三重臨界点について報告します。この三重臨界点は系のもつカイラル対称性の自発的破れに関連するものですが、印加電場の方向に非ゼロの電流が流れる非平衡状態において発現する三重臨界点です。講演では解析の概要と詳細をお伝えし参加者の皆様と議論を深めたく思います。本研究は今泉拓也さん、松本匡貴さんとの共同研究に基づいており、Phys.Rev.Lett. 124 (2020) 19, arXiv:1911.06262 [hep-th]に詳細が掲載されています。
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10 曽我部紀之 Institute of Modern Physics, Chinese Academy of Sciences and KEK 揺らぐカイラル流体力学における電気伝導率の静的補正
近年、対称性と変分原理に基づく非平衡の有効場理論がCrossley、Glorioso、Hong Liu によって開発された。本発表では、量子異常と関係したカイラル輸送現象における流体力学的揺らぎの効果を、非平衡有効場理論を用いて解析した結果について紹介する。古典的な保存電荷密度揺らぎは時間に依存する有限の補正を残すことがロングテール現象として知られているのに対し、カイラル磁気・分離効果によって、電気伝導率が静的なレベルで有限の補正を受けることを示す。特に、この補正は軸性電荷の緩和時間と磁場それぞれに起因する特徴的な運動量を用いたロングテール現象の表式の一般化になっている。
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11 末永大輝 大阪大学RCNP 2カラーQCDにおけるカイラル分離効果
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12 筒井翔一朗 理化学研究所 複素ランジュバン法のフェルミ原子気体への応用
非摂動的計算手法のひとつである量子モンテカルロ法には、符号問題の有無によって、その適用範囲に制約があることが知られている。このような制約にとらわれない手法として近年注目されているのが複素ランジュバン法である。本発表では、符号問題の発生するミニマルなセットアップとして、ゼーマン磁場下の接触相互作用する 1 次元の 2 成分フェルミオン系(Gaudin-Yang模型)を考える。このような系では、スピン(↑, ↓)粒子の粒子数に大きな差が生じ、少数派の粒子のチャンネルにポーラロンと呼ばれる準粒子励起が現れる。本発表では、このポーラロンの一粒子エネルギーを複素ランジュバン法によって計算した結果を示す。また、他のフェルミ原子気体への適用可能性についても議論する。
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13 山口辰威 KEK物構研 多体ワニエ関数法を用いた1次元1/2充填ハバード模型における光励起状態の理論解析
近年、フェムト秒パルスレーザー技術の発展により、強相関電子系における光励起状態を制御しようと試みる研究が盛んに行われている。一方で、基底状態から光励起された直後の多体電子状態を厳密に理論解析するための厳密対角化法やDMRG法等の従来手法にはそれぞれ欠点があるため、最も典型的な強相関電子系であるモット絶縁体に対してさえも、光励起状態の充分な理解が得られていない。そこで、我々は、従来の厳密計算手法の持つ欠点を克服した新しい理論解析手法である「多体ワニエ関数法」を開発し、1次元モット絶縁体の系に適用した。本ポスター発表ではこの詳細について説明する。
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14 世田拓也 京大理 量子相転移とリサージェンス: 3次元N=4SQEDからの教訓
場の理論において,非摂動効果の理解は長年の問題の一つである.特に,理論の相図を調べ上げることは重要な課題である. このような課題に対し,Lefschetz thimble解析が注目されている.一次相転移はanti-Stokes現象と密接な関係にあることが知られていたが,より高次の相転移がどう理解されるかは明らかにされていなかった. 近年,ハイパー多重項と結合した3 次元N = 4 超対称量子力学のラージフレーバー極限におい て,二次量子相転移の存在が報告された.本講演では,この量子相転移がLefschetz thimble 解析の観点から理解されることを示す.具体的に,二次相転移はStokes 現象とanti-Stokes 現象が同時に起こる現象として理解される.また,相転移次数は複数の鞍点の衝突の仕方によって決定されることも見る.このことは三次以上の相転移についても一般化される. 更に,本講演では理論のリサージェンス構造についても議論する.分配関数をラージフレーバー展開し,そのボレル総和を考える.その結果,ボレル特異点がLefschetz thimble の構造と無矛盾に現れることを見る.また,相転移次数は複数のボレル特異点の衝突の仕方によって決定されていることも見る.以上のことは,相転移の理解にリサージェンスの手法がよく機能することを意味している.
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15 横倉諒 KEK Higher-form symmetries and 3-group in axion electrodynamics
We study higher-form symmetries in a low-energy effective theory of a massless axion coupled with a photon in $(3+1)$ dimensions. It is shown that the higher-form symmetries of this system are accompanied by a semistrict 3-group (2-crossed module) structure, which can be found by the correlation functions of symmetry generators of the higher-form symmetries. We argue that the Witten effect and anomalous Hall effect in the axion electrodynamics can be described in terms of 3-group transformations.
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16 手塚真樹 京都大学理学研究科 SYK模型と多体局在
SYK模型は多数のフェルミオンが全ての組み合わせで4点相互作用する、カオスの上限を満たす量子力学系であり、ランダムな質量項を加えると(フォック空間における)多体局在が起きる[1]。局在付近での波動関数のモーメント[2]や系を二分したときのエンタングルメントエントロピー[3]を調べた結果を紹介したい。 [1] Antonio M. Garcia-Garcia, Bruno Loureiro, Aurelio Romero-Bermudez, and Masaki Tezuka, "Chaotic-Integrable Transition in the Sachdev-Ye-Kitaev Model", Phys. Rev. Lett. 120, 241603 (2018). [2] Felipe Monteiro, Tobias Micklitz, Masaki Tezuka, and Alexander Altland, "Minimal model of many-body localization", Phys. Rev. Research 3, 013023 (2021). [3] Felipe Monteiro, Masaki Tezuka, Alexander Altland, David A. Huse, Tobias Micklitz, "Quantum ergodicity in the many-body localization problem", arXiv:2012.07884.
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17 本郷優 イリノイ大学シカゴ校 非平衡開放系における南部・ゴールドストーンモードの有効ラグランジアン
非平衡開放系における南部・ゴールドストーンモード(NGモード)の有効ラグランジアンをコセット構成法により書き下す方法,並びに結果として実現しうるNGモードの分散関係を説明する.
- Ref M. Hongo, S. Kim, T. Noumi, A. Ota, Phys. Rev. D 103, 056020 (2021)
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